あかるい明日番外編『世界の占い・スピリチュアル紹介コラム』から、今回はコラムをお送りします。お楽しみください。
魔術師になるには
前回の「魔女になってみたいあなたへ」と少し内容が重なってしまいますが、魔術師というのは魔女というものと異なります。
もしかしたらこちらのほうがメジャーかもしれませんね。
しかし、一般の人が考える「呪文を唱えたら不思議なことがパッと起きる」という世界ではありません。
それは魔法と言われるおとぎ話めいたものであり、魔術とは全く別のものなのです。
魔術とは?
では「魔術とはなんであるか?」
この問いに即答できる人は少ないと思います。
知人曰く、意志が外界に変化をもたらすこと、だそうです。
つまり、ありがとうと伝えることで誰かを笑顔にできたらそれも魔術ですし、ダイエットの末に素敵な恋人を手に入れられたらそれも魔術ということになります。
誰かを憎むことでその人を不幸にしたなら魔術には違いありませんが、それは一般的には呪術と分類するほうが正しいようです(苦笑)
おとぎ話と違うならば、ちゃんと理論があるのか?というと、あります。
たとえば、不思議に思ったことはありませんか?どんな未開の地であっても、どんなに他の文明・文化と隔離されていても、神の概念が等しくあるということ。
そういう、人類ならばみんな持っている共通したエッセンスを理論という形で凝縮し、各地の神話(今の時代はやや西洋寄りですが)によってさらに進化させたものが魔術理論の核になっています。
魔術師を目指すなら?
話がそれましたが、魔術師を目指すならまずどうしたらいいか。
魔術結社に入ってしまうのが一番手っ取り早いです。
しかし、「魔法使いになってみたい、興味がある」程度ではまず無理だというのが現状です。
魔術書を読み、それなりの知識や精神力を培ってどこかに入門するか弟子入りするのが一番楽なのではないでしょうか。
ただし、楽、というのは指導者がいれば楽という意味です。
外国語を覚えるときに独学よりは先生がついていたほうが楽かもしれないぐらいの意味合いでしかありません。
人によっては自分のペースで修行を積みたいという方もいらっしゃることでしょう。
自己参入儀式がまず必要になります。
オススメなのは国書刊行会が出版している世界魔法大全シリーズの「魔術―理論と実践―」(上・下巻 アレイスター・クロウリー著)などをご覧になることですが、儀式というものを行うには、それなりの知識や慣れが必要となってきます。
魔術 理論と実践 アレイスター・クロウリー/著 島弘之/訳 植松靖夫/訳
その下地というか練習になるかもしれないのはおまじないですね。
ミニ四駆を組み立てたことがあれば少しは自動車工になる手助けになる、程度ですが、ともかくしないよりはいいです。
ご注意
魔術結社といっても色々です。
世界中の魔術師が籍を置くことを一度は夢見る最大手「黄金の夜明け団」(本部は合衆国NYです)もありますし、国内でも色々なところに魔術結社はあり、インターネットから応募できるところも少なくないようです。
良い時代になったと思いますが、あまり過剰にお金を要求されるところには気をつけて下さいね。相場は、だいたい一人前になるまでに一千万(日本円で)くらいだそうで、「魔術やオカルトは金持ちの道楽だ」などと言われることも往々にしてありますが、相場が安くなるには普及しないといけないという事情があるのです。
もちろん、どんな魔術結社であれ、犯罪行為を推奨するようなところは関わっていけません。
黒魔術というのは人を傷つけなくてもできますし、ショックの大きい行為をさせることで後戻りできなくする洗脳法もたくさんあるようですので。
北欧の呪術師の本には「この呪術はお酒を飲まなくてはいけないので未成年は行わないこと」という配慮の詰まった注釈がついているくらいです。
この世界は厳しい世界であることをお忘れなく。
もちろん、自分に甘い・倫理観の甘い人はそもそも魔術師に向いていません。
さて、この文章を読んでもまだ魔術師になりたいという奇特な方がどれくらいいらっしゃるか分かりませんが、それでも興味のある方は、魔術書を読むのが一番手っ取り早いです。
ただし、いかに日本に魔術が普及したといっても、大半の魔術書は外国語、英語やフランス語がメインであり語学力もある程度要求されるのが実情のようです。
どんなに初心者であっても、自己参入儀式(セルフ・イニシエーション)が問題なくできるようであれば道は拓けます。
あとは頑張り次第というところでしょうか。
興味があれば、いろいろ調べてみてくださいね。
参考にさせていただいたサイト様など
「魔術―理論と実践―」(上・下)アレイスター・クロウリー著 国書刊行会
ありがとうございました。